クスリのアオキ:ガバナンスの改革が必要な企業

アオキは、代表取締役の青木宏憲氏とその弟の取締役副社長の青木孝憲氏の企業支配の下、問題が散見されるストック・オプションの発行、アオキの創業者であり、現代表取締役及び副社長の父親である青木桂生氏による会社資産の私的流用の疑い、そして最低水準の株主との対話姿勢等、深刻なガバナンス上の失敗を経験しています。少数株主との利益相反を防ぐために必要な監督機能が機能しておらず、アオキはその潜在能力を最大限に引き出すことができていません。

アオキのコーポレートガバナンス上の失敗:

1.      問題が散見されるストック・オプションの発行:アオキは2020年1月に代表取締役の青木宏憲氏とその弟の取締役副社長の青木孝憲氏に対して、ストック・オプションを発行しています。開示されているストック・オプションの公正価値は72.56億円であるにも関わらず、青木兄弟は、僅か5,250万円しか会社に払い込んでいません。このストック・オプションの発行後に、アオキの監査法人を努めていたあずさ監査法人(KPMG)が、監査契約を更新しない旨を申し出ています。11.1%もの希薄化を及ぼす、この有償ストック・オプションは、株主総会決議を経ずに、取締役会決議のみで発行されています。また、ストック・オプションの発行は非合理とも思えるほどの業績予想の下方修正を行い、株価が下落した後に発行されています。ストック・オプションが発行されてからは、アオキの実際の業績は下方修正した水準のみならず、期初予想をも超える水準で着地し、株価は元の水準を回復しました。尚、この時期にかけて、青木家が保有する株式の多くに担保契約が付されており、青木家に大きな資金需要が発生したとオアシスは推測しています。オアシスは、青木宏憲氏と青木孝憲氏がストック・オプションの公正価値をアオキに支払うか、アオキによる青木宏憲氏と青木孝憲氏からのストック・オプションの簿価での買戻しを要求します。

2.      青木桂生氏による会社資産の私的流用の可能性:現社長の父親で、創業者の青木桂生氏は、現在1,700平方メートルに及ぶ、豪華な住宅に居住していますが、本施設の一部は、過去にアオキが福利厚生施設として買い取っております。当施設の用水の東側部分は青木桂生氏の所有となっている一方で、用水の西側部分は会社所有となっており、本施設は用水をまたいでも繋がっている一体の施設であることが確認されています。現地調査に基づくと、青木桂生氏は本施設に居住しており、会社資産の不適切な私的流用である疑いがあります。

3.      不適切な会社提案候補:会社側の新任社外取締役候補である藤井氏は、過去にクスリのアオキでの勤務経験がある等、独立性に懸念があります。加えて、調査会社の資料によると、藤井氏の事業はいずれもアオキの1/1000程度以下の規模であり、多くの会社が債務超過状態(タイオンホールディングス、タイオン365等)で、安定的な黒字の創出にも失敗しています。藤井氏が取り組まれているバイオマス事業についても、事業開始予定日から2年以上が経った現在においても事業は開始できておらず、藤井氏の経営能力には疑問符が付きます。以上の理由から、オアシスは藤井氏がアオキの新任社外取締役候補者としてふさわしくなく、藤井氏の選任提案は、アオキがオアシスの提案を阻止し、取締役の定員の枠の残りの1つを埋めるためだけの提案だと強く考えています。

4.      株主を蔑ろにし、透明性が著しく低いなど、極めて低い水準にある株主との対話姿勢:アオキの代表取締役社長は、株主と対話を行うことを拒んでいます。株主として、オアシスは、2022年11月より代表取締役社長の青木宏憲氏との面談を複数回に亘って要請してきました。度重なる要請にも関わらず、オアシスの継続的な要請は全て断られました。オアシスとの面談の拒絶は、日本のコーポレート・ガバナンス・コードで推奨されている行動から程遠いだけでなく、青木家の影響力の絶大さ、取締役会におけるバランスの欠如の証左となります。数多くの日本企業とのエンゲージメントを行ってきたオアシスから見ても、アオキの株主の懸念に応えようとしない姿勢、株主利益を無視する姿勢は、日本企業の中でも最低水準の一つだと考えています。また、アオキの社外取締役による、オアシスが提案する社外取締役候補者との面談も、オアシスの度重なる要請にも関わらず、アオキはこれを明確な理由の説明なく拒否しました。

変革の必要性:

アオキのコーポレートガバナンスは、青木家の利益を少数株主の利益に対して優先している危険な状況です。アオキのガバナンス意識の欠如はより、鮮明になってきています。オアシスはアオキのガバナンス改革が急務だと考えています。

アオキのコーポレートガバナンスを改善するために、株主は今すぐ行動を

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